新潟県の越後妻有で行われている「大地の芸術祭」というアートイベントをご存知ですか?
今年は、3年に1度の「大地の芸術祭 越後妻有アートトリエンナーレ 2024」が夏から開催されます!
先日、通年公開されている作品を見るために、家族3人で新潟県を訪れました。
大自然の中でアートに触れ、いつもの旅行とは違った体験をすることができました。
大地の芸術祭は、体験型や子どもにおすすめの作品が多く、親子でアートを楽しむのにぴったり!
夏休みや秋の連休の予定を悩んでいる方のご参考になれば嬉しく思います。
大地の芸術祭は、トリエンナーレの期間に訪れることができなくても、通年公開している作品や常設展示が多数あり、様々なプログラムを年間通して楽しむことができます!
今回は、トリエンナーレの期間外でも楽しめる「子連れにおすすめ」の作品やスポットを5つご紹介します。
子連れファミリーはもちろんですが、カップル、お友達、一人旅、日帰り旅行など、大地の芸術祭に訪れる全ての方に、その魅力をお伝え出来たら嬉しく思います。
大地の芸術祭のトリエンナーレは、独身時代は友人と、結婚後は夫と訪れたことがありました。
出産後は「子連れでアートを楽しみたい」と思い、家族で訪れました。
娘は自由な感性で思いっきり楽しんでいました!
大地の芸術祭
大地の芸術祭とは
大地の芸術祭とは、過疎高齢化の進む日本有数の豪雪地・越後妻有(新潟県十日町市、津南町)を舞台に、2000年から始まった世界最大級の国際芸術祭です。
地域に隠れた魅力をアートを媒介として掘り起こし、地域再生を目指すことを目標としているこのイベントは、アートによる地域づくりの先進事例として国内外から注目を集めています。
また、廃校や空家を作品として再生し、地域の記憶や知恵を継承しようと、100件ものプロジェクトが行われています。
公共施設だけでなく、集落や里山にもアートが点在しているのが魅力の一つです。
豊かな四季が巡る自然豊かな里山で1年を通して作品を展示していますが、3年に1度トリエンナーレを開催しています。
大地の芸術祭 越後妻有アートトリエンナーレ 2024
今年は3年に1度の「大地の芸術祭 越後妻有アートトリエンナーレ 2024」が夏からスタートします。
□大地の芸術祭 越後妻有アートトリエンナーレ 2024
2024年7月13日~11月10日
※火・水曜日定休(一部作品施設は通常営業)
10時00分~17時00分(10・11月は10時00分~16時00分)
※各作品によって公開日・公開時間が異なる場合あり
※詳細は、公式サイトをご確認ください。
作品が広範囲に点在しているので車で行くのがおすすめですが、トリエンナーレの期間内はバスで巡るツアーがあり、半日コースや、ランチ付きの1日コースなど、エリアによって様々なツアーがあります。
越後湯沢駅発着のため、東京方面の方も気軽に参加できます!
①鉢&田島征三 絵本と木の実の美術館
鉢&田島征三 絵本と木の実の美術館 とは
十日町の山と山に囲まれた場所に鉢という集落があります。
その中心にある真田小学校は廃校になり、集落の人々と絵本作家・田島征三さんによって「絵本と木の実の美術館」になりました。
カラッポになった校舎を舞台に、最後の在校生3人と学校に棲みつくオバケたちとの物語が、絵本「学校はカラッポにならない」となり、その物語が校舎いっぱいに広がります。
校舎中にあるオブジェは、流木や木の実などの自然物に絵具を塗ったもの。
絵本の世界に入ったような不思議な体験ができます。
作家の田島征三さんは、かつてこの学校で活き活きと生活をしていた生徒や先生、おばけまでをも再現しようとしています。
この美術館は、子どもと大地の芸術祭を訪れるなら絶対に訪れてほしい、おすすめの作品です!
教室の床板を外して敷き詰められた土と自然に生えてきた植物が暮らす「くさむらの部屋」。
同じ空間に田島征三さんが半世紀で描いてきた数々の絵本や作品集等が展示されており、ゆっくりと読むことができます。
「全ての生きものたちが喜んで暮らす美術館」という田島征三さんの想いが込められた野外の空間絵本エリア。
休耕田を活用したビオトープには、多様な小さな生きものたちが暮らしています。
校庭には、絵本から飛び出したヤギの親子が暮らしています。
校舎の1階には、「Hachi Cafē」というカフェが併設されており、新鮮な野菜でつくるランチメニューやドリンクを頂くことができます。
何度訪れても楽しい美術館ですが、初めて訪れた際の驚きや楽しみは特別だと思いますので、写真は少なめにしました。
実際に訪れて全ての空間を楽しんでみてください。
鉢&田島征三 絵本と木の実の美術館 の基本情報
□施設名
鉢&田島征三 絵本と木の実の美術館
□住所
〒948-0111
新潟県十日町市真田甲2310-1
□時間
10:00~17:00(10・11月は16:00まで)
□定休日
祝日を除く火・水曜日、冬季
臨時休業等ありますので、詳細は公式サイトよりご確認ください。
②まつだい「農舞台」フィールドミュージアム
まつだい「農舞台」フィールドミュージアム とは
オランダの建築家グループ・MVRDVが設計したまつだい「農舞台」。
この「まつだい『農舞台』」から山頂の「松代城」までの約2kmの里山に約40点の作品が点在しており、このエリア全体を”まつだい「農舞台」フィールドミュージアム”と呼んでいます。
まつだい「農舞台」は、柱が無い建物です!
4本の足が橋の構造を持ち、浮き上がっているので、外観もぜひ注目してみてください。
子連れにおすすめの作品をいくつかご紹介します。
草間彌生さんの「花咲ける妻有」は、力強い生命力を感じる作品です。
自然豊かな風景に映える色彩豊かな作品も多く、現代アートの魅力を里山の四季と共に堪能できます。
教室全体が黒板となっており、チョークで誰でも自由に落書きができます!
地球儀も動かしたり落書きすることができます。
全ての机の引き出しの中にも作品があるので、ぜひ開けてみてください!
色鮮やかな8枚の扉によって空間が区切られている宮沢賢治の「注文の多い料理店」を具現化した作品。
客に対する注文の言葉がつづられたドアを開けると、物語の世界に迷い込んだような気持ちになります。
旧松代町全住民が参加して作られた「まつだい住民博物館」。
約1,500本のカラーバーは旧松代町の各家庭が色を選んだもので、それぞれには屋号が書かれています。
会話の音声が流れており、娘は「誰の声?」と興味津々でした。
「ゲロンパ」はパカっと大きな口を開け、刈り終えた草をもぐもぐとお腹に飲み込んで堆肥を生み出す堆肥製造マシーン!
屋外作品が多いので、小さな子どもも自由に思いっきり楽しむことができます。
屋外の常設展示作品は、定休日に関係なく見ることができます。
体力に自信が無い方や、小さな子どもがいて不安な方は、農舞台の周辺だけでもたくさんの作品が楽しむことができます。
併設されているカフェは、一面ガラス貼りの窓と鏡のテーブルにまつだい住民の自宅の窓から見える四季の風景が映り込むアート作品です。
ビュッフェ形式のランチは、体も心も元気になるメニューばかり!
※この記事の後半に「おすすめの子連れランチ」として詳しく載せています。
授乳室もあるので小さな子どもがいる方も安心です!
作品数がとても多いので、まつだい「農舞台」フィールドミュージアムだけの訪問でも大地の芸術祭を堪能できます。
まつだい「農舞台」フィールドミュージアム の基本情報
□施設名
まつだい「農舞台」フィールドミュージアム
□住所
〒942-1526
新潟県十日町市松代3743-1
□時間
10:00~17:00(最終入館16:30)
※2024年7月13日~9月30日 9:30~18:00(最終入館17:30)
※2024年10月3日~11月10日 9:30~17:00(最終入館16:30)
□定休日
祝日を除く火・水曜日、年末年始
臨時休業等ありますので、詳細は公式サイトよりご確認ください。
③越後妻有里山現代美術館 MonET(モネ)
越後妻有里山現代美術館 MonET(モネ)とは
建築設計は、札幌ドーム、京都駅ビルなどを手掛けている原広司さんとアトリエ・ファイ建築研究所。
以前は、「キナーレ」の愛称で親しまれていた越後妻有里山現代美術館は、2021年にリニューアルし、「MonET(Museum on Echigo-Tsumari)」となりました。
光が反射し、空や建物を鏡のように映しているように見える中央の池。
「空は曇っているのに、中庭の池の水鏡は晴れている…?!」
実は、水鏡ではなく、イラストが描かれており、ある地点から見るとビジュアルがばちっとはまって上記の写真のように見えます。
「越後妻有を日本の中心から遠く離れて存在する衛生のようだ」と感じ、その存在感や力強さを表そうと、越後妻有で集められた使わなくなったもので制作した人工衛星。
現地で取材した際に得た雪国での生活の知恵や伝承されたお話、怪談、空家や廃校の様子、捨てられる道具類などから想をえて、エントランス吹き抜け空間を構成しています。
1階からは作品を下から見上げて楽しむことができて、2階からは浮いている作品と同じ目線で楽しむことができます。
頭上に張り巡らされた16本のロープには約100個の「ゴミ」がぶら下げられ、それぞれのゴミには様々な会話のメモが書かれています。
メモには自然、子供、健康、家事、愛などをめぐる様々な会話が書かれています。
子どもが指差ししたものを読みながら作品を巡りました。
無数の小さな時計をムクドリの群れのように配置したインスタレーション作品。
娘は「鳥?時計?時計いっぱい!」と不思議な世界観に夢中でした。
近付いてみるとそれぞれの秒針が実際に動いており、その様子は圧巻です。
円弧に広がる書棚、繋げると信濃川が現れるテーブル、天井に吊り下げられた約1000個の円形のモビールなど、空間に現れる全ての要素が作品の「Two River」。
ここはカフェになっているので、アートな空間で一息つけるのが嬉しいです!
その中に、中谷ミチコさんが集落で聞いた昔話をモチーフに、人間の生活と労働と妄想をイメージした彫刻作品「遠方の声」が浮かび上がります。
地域の人々が語る昔話や思い出が雪原に投影されているように感じて作られたとのことです。
中谷ミチコさんの作品は、一般的な彫刻作品と異なり、凹凸が反転しており、凹みによってモチーフを表しています。
どの視点から眺めても魅力的で、淡い色合いも繊細で美しいです。
越後妻有里山現代美術館 MonETには、授乳室もあるので小さな子どもがいる方も安心です!
越後妻有里山現代美術館 MonET の基本情報
□施設名
越後妻有里山現代美術館 MonET(モネ)
□住所
〒948-0003
新潟県十日町市本町6-1
□時間
10:00~17:00(最終入館16:30)
□定休日
祝日を除く火・水曜日、年末年始
臨時休業等ありますので、詳細は公式サイトよりご確認ください。(大地の芸術祭公式サイト内)
④妻有双六(かたくりの宿内作品)
妻有双六とは
インスタレーション作家の原倫太郎さんと画家の原游さんのアーティスト・ユニットによる体験型の作品「妻有双六」。
この作品は、秘境秋山郷にある歴史ある木造小学校をリノベーションした「かたくりの宿」の体育館にあります。
学校に残されていた物を使いながら、大地の芸術祭と関係のあるコマやマスも登場するすごろくは、子どもから大人まで夢中になれます。
「クリスチャン・ボルタンスキーの最後の教室を体験したことがある人は2マス進む。」
「目をつぶって本棚から本を一冊選んで、47ページの3行目からの一文をみんなに聞こえるように読んでみよう。」
「ばったり会った村のおじいさんおばあさんに野菜をもらって嬉しい。3マス進む。」
このように大地の芸術祭にちなんだマスや、地域の暮らしや人が想像できるマスがあります。
2歳の娘は、カラフルでポップな色合いの作品に夢中でした。
すごろくを体験することで、大地の芸術祭を巡ることがより楽しみになりました。
妻有双六の基本情報
□施設名
妻有双六
□住所
〒949-8316
新潟県中魚沼郡津南町結東子450-1
(かたくりの宿の中にあります)
□時間
11:00~16:00(最終入館30分前)
□定休日
祝日を除く火・水曜日、冬季
臨時休業等ありますので、詳細は公式サイトよりご確認ください。
大地の芸術祭を堪能したい方は「かたくりの宿」への宿泊がおすすめ!
妻有双六のある「かたくりの宿」は、美しい自然と農村風景が残る秋山郷の小さな集落にあり、明治17(1884)年に結東校として開校し、平成4(1992)年に廃校となった小学校をリノベーションした全7部屋の宿です。
大自然の美しい景色、学校に泊まるワクワク感、身体の芯まで温まる温泉、旬の食材で丁寧に作られた美味しいお料理、体育館にある体験型の大地の芸術祭の作品「妻有双六」、そしてスタッフさんの心遣いと温かい対応、ここでしか味わえない体験が満載です。
実際に宿泊した際のブログは、下記からご覧ください。
⑤越後松之山「森の学校」キョロロ
越後松之山「森の学校」キョロロ とは
300件の公募から選ばれた手塚貴晴さんと手塚由比さんの設計による、長さ160メートル、重さ2000トンの耐候性鋼板(コールテン鋼)製の建築物です。
「森の学校」キョロロは、豪雪地松之山の山中に位置する自然科学をテーマとした教育研修施設。
2003年の夏、「大地の芸術祭 越後妻有アートトリエンナーレ」に伴い開館しました。
生物多様性に関連した展示や豊富な体験プログラムで里山を楽しく体験し学ぶことができます。
屋内外に8つの大地の芸術祭作品が展開されているので、子ども達はアートに触れながら、自然について学ぶことができます。
ブログを始める前に訪問したので、写真がありません。申し訳ございません。
越後松之山「森の学校」キョロロ の基本情報
□施設名
越後松之山「森の学校」キョロロ
□住所
〒942-1411
新潟県十日町市松之山松口1712-2
□時間
9:00~17:00(最終入館16:30)
※冬季は16:00閉館
□定休日
火曜日、年末年始
※冬季の定休日は火曜日・水曜日
臨時休業等ありますので、詳細は公式サイトよりご確認ください。
授乳室もあるので小さな子どもがいる方も安心です!
常設の屋外作品を見てみよう!
屋外の常設展示は、子どもものびのびと楽しむことができます。
定休日や営業時間に関係なく見ることができるのも嬉しいポイント。
上の写真の「たくさんの失われた窓のために」は、窓枠と風になびくカーテンが繊細で美しい作品です。
窓枠を覗いてみると、絵画のように切り取られた越後妻有の風景に出会うことができます。
子どもは「大きい窓きれい」と言い、真剣に作品と景色を眺めていました。
おすすめの子連れランチ
越後まつだい里山食堂
まつだい「農舞台」の中にある越後まつだい里山食堂。
店内は、一面ガラス貼りの窓と鏡のテーブルにまつだい住民の自宅の窓から見える四季の風景が映り込むアート作品空間「カフェ・ルフレ」です。
旬の食材が詰まった郷土の味や、家庭料理にアレンジを加えたメニューは、どれも美味しくて体も心も元気になれます。
アート作品の空間で美味しいランチを頂けるのが嬉しいポイント!
トリエンナーレの期間は、ビュッフェ形式のランチを頂くことができます。
トリエンナーレの期間外は、ビュッフェの日程が異なりますので、公式サイトをご確認ください。
子ども用椅子(ハイチェア)や食器一式の用意がありました。
建物内に授乳室もあります。
□レストラン名
越後まつだい里山食堂
□住所
〒942-1526
新潟県十日町市松代3743-1 まつだい「農舞台」内
□時間
12:00~17:00(L.O 16:30)
ランチ 11:00~15:00(最終受付14:00)
□定休日
火・水曜日(火水が連続で祝日の場合は翌営業日を振休)
※混雑が予想されますので、オンライン予約をおすすめします。
IKOTE(いこて)
「森の学校」キョロロを設計した手塚貴晴さんと手塚由比さんが手掛けており、2015年の「大地の芸術祭」開催時にアート作品のひとつとして制作されました。
軒を深く出す雪国の伝統的な「せいがい造り」を用いて、この地域の風物詩だった雪除けの軒下空間と雁木を再現しています。
入口で靴を脱いで中に入ると、木の温もりが溢れる開放的な空間が広がります。
内装に使われているのはすべて県内産の杉材とのこと。
全てのメニューが、新鮮な地元の食材を使用し、素材を活かす工夫が丁寧にされており、嬉しい驚きがたくさんありました。
美味しいのはもちろん、心まで優しく満たされました。
子ども用のメニューがあるのも嬉しいですね!
絵本やおもちゃがあるので、子どもも飽きずに過ごすことができます。
メニューが多いので、何度訪れても楽しめますね!
□レストラン名
IKOTE(いこて)
□住所
〒948-0081
新潟県十日町市本町5-39-6
□時間
ランチ 11:00~14:00 L.O
カフェ 11:00~17:00
ディナー 17:00~22:00(21:00 L.O 水曜・日曜休み)
□定休日
月曜日(祝日は営業、翌営業日を振休)
臨時休業等ありますので、詳細は公式サイトよりご確認ください。
まとめ
今回は、トリエンナーレの期間外でも楽しめる「子連れにおすすめ」の作品やスポットをご紹介しました。
・鉢&田島征三 絵本と木の実の美術館
・まつだい「農舞台」フィールドミュージアム
・越後妻有里山現代美術館 MonET
・妻有双六
・越後松之山「森の学校」キョロロ
2歳の娘は、素直な感性でアートを思いっきり楽しんでいました。
大自然の中でアートに触れ、いつもの旅行とは違った貴重な体験をすることができました。
夏休みや秋の連休の予定を悩んでいる方のご参考になれば嬉しいです。
最後まで読んでいただきありがとうございました。
訪問当時の情報のため、事前に公式サイトをご確認ください。
「大地の芸術祭」の公式サイトは下記です。